歯医者さんの講演を聴く機会がありました。
そのお医者さんは、子どもの健診をすることが多いそうなのですが、口呼吸の子どもがとにかく多いので、「あいうべ体操」をするといい、という話でした。
口呼吸がなぜ悪いのかというと、口の中が乾燥することで、唾液に含まれている酵素の働きが悪くなるからだそうです。
インド人のヨガの先生も言ってましたが、鼻は呼吸器官、口は消化器官なので、口からばい菌がたくさん入り、風邪なども引きやすくなるそうです。
その講演会の最後に、みんなであいうべ体操を何度もやってみたのですが、わたしは「べー」をする際に、つい視線を眉間の方に向けていました…。
「あ、これ、シムハアサナだ!」
そう、シムハアサナとあいうべ体操は、どちらも口の中のトラブルを解消し、健康になるのに効果的なものでした。
あいうべ体操とは?
福岡の今井一彰先生が考案した顔の体操です。
今井先生は、リウマチの患者さんの口臭の臭さ、しかも炎症がひどいほど口臭もひどいという発見から、口呼吸に注目したそうです。
患者さんは口呼吸によって、口の中が乾き、雑菌が増えたため、口臭がひどくなっていたのでした。
そこで先生は、いつでもどこでもだれでも手軽にできる「あいうべ体操」を考案されたそうです。
やり方
まずは自分の舌の位置を確認します。
舌の正しい位置は、上あごにピッタリついている状態です。
1.普段より大きめにあーと口を開く
2.首に筋が張るくらいまでいーと口を大きく横に広げる
3.うーと強く口を前に突き出す
4.あごの先をなめる感じで、べーと舌を突き出して下に伸ばす
これを1セットとして、一日30セットを毎日行います。
力いっぱい、120%の力を込めてやるのがいいそうですが、この30回というのがなかなかの回数で、結構顔が疲れます。
効果
講演会で頂いたあいうべ体操カードより
- アレルギー性疾患(アトピー、喘息、花粉症、鼻炎)
- 膠原病(関節リウマチ、エリテマトーデス、筋炎、シェーグレン)
- うつ病、うつ状態、パニック障害、全身倦怠
- 腸疾患(胃炎、大腸炎、便秘、痔)
- 歯科口腔(ぺリオ、ドライマウス、顎関節症、虫歯、歯列矯正)
- その他(イビキ、尋常性乾癬、高血圧、腎臓病、風邪など)
シムハアサナとは
シムハは「ライオン」のことで、このアサナはヴィシュヌの化身である獅子人ナラシムハ(ナラとは人、シムハとはライオン)に捧げるポーズである。
普通のレッスンでは見かけないアサナですが、なぜかわりとみんな知っている不思議なアサナです。
やり方
手足のつきかたはいろんなバージョンがありますが、いつも参考にしている『ハタヨガの神髄』よりアイアンガー先生のやり方で。
1.右足を曲げて左のお尻の下、左足を曲げて右のお尻の下におく(左の足首が右の足首の下にきた状態)
2.かかとの上に腰をおろし、体重を太ももとひざにのせる
3.しっかりと背骨を伸ばし、右の手のひらを右ひざに、左の手のひらを左ひざにおき、腕を締めて伸ばす。指は広げ、ひざ頭に押し付ける
4.口をひろくあけ、舌を出し、出来る限りあごの方にのばし、視線はみけんか鼻先。30秒キープ
※足を入れ替えて反対も行います
効果
口臭を取り除き、舌が掃除される。
言葉の発音が明瞭になる。したがって、どもりの人などにも効果がある。
肝臓に刺激を与え、胆汁の量を調整する。
尾てい骨の痛みを取り除き、尾てい骨の位置の異常を治す。
まとめ
あいうべ体操も、シンハーアサナも、顔は思いっきり力をいれて動かすことが大事です。
口呼吸は健康の基本、ヨガを行う時間がとれない日でも、あいうべ体操をやることで、健康が保たれます。