この本との出会いは、もう随分前の事ですが、たまたま入ったタイのバンコクにある、古本屋さんでした。
その時のわたしはあることがあって、とてもとても落ち込んでいました。
なんとなく、『ヨガから始まる』というタイトルに惹かれて手に取り、購入。
この本にとても励まされ、ヨガ的な考え方や生き方をしていたら、こんなに落ち込まなくていいんだと思ったのを覚えています。
著者ケン・ハラクマさんとは
言わずと知れた、IYC(インターナショナルヨガセンター)の創設者、日本のヨガを牽引している方です。
アシュタンガヨガを中心に、国内だけでなく、海外でもたくさんの指導を行っています。
まだまだヨガが認知されていない日本で、ヨガスタジオを開いたり、ヨガフェスタをスタートしたりと、ヨガの世界のパイオニアです。
本の概要
ケン・ハラクマさんの生い立ち、考え方としてのヨガ、実践としてのヨガ、ライフスタイルとしてのヨガが書かれています。
ヨガの技術よりも、ヨガの練習を通じて、身体だけでなく、精神、そして生き方が変わっていくことが、とても丁寧に描かれていて、ヨガをやっていない人でも理解しやすいです。
実践としてのヨガ
実際のヨガの方法を具体的に書いているだけでなく、ポーズが出来ることによって変わるメンタルの事が書かれています。
「ポージングを積み重ねていくと、「この人がやってくれるから、自分はできなくてもいいかもしれない」と、すべてを人に頼っていく生き方をしていたのが、「いやいや、自分ひとりでもやってみよう」という方向に意識が変わっていきます。」
たとえ、哲学書を読んだりしてなくても、日々のアサナの積み重ねで、意識が変わっていくそうです。
また、
「他人の助けを極力借りずに、呼吸とポーズという自分のアクションに向き合いながら前進する「自力」の部分。
それと同時に呼吸やエネルギーの交流によって自分の生命はサポートされているという、一種のスピリチュアルな「他力」の部分。
この双方があいまって、自己にも他者にも開かれた強さをダイレクトに感じられるようになる。」
というように、ヨガは自分と周りの繋がりを感じるものであり、明らかに他のエクササイズとは異なることが書かれています。
ライフスタイルとしてのヨガ
ヨガ的生活は、「毎日をできる限りシンプルにしていくこと」とし、一日のスタイルや、食事の事について書かれています。
生活する上では、自分と異なるものや、物事の変化をオープンなマインドで受け入れていくことが根本だそう。
他人を認め、いい意味で物事に執着せず、欲を持たない姿勢が必要です。
食事に関しても、著者は一日1食、極めてシンプルな食事だそうです。
ヨガでは、胃の大きさの半分が食べ物、四分の一が水、あとの四分の一は空気として空けておくのが理想です。
まとめ
毎日アサナを練習することでも、精神的な変化や成長も期待できるのがヨガです。
そういった意味で、ヨガは他のエクササイズとは全く異なります。
ヨガ的な生活は、日常や食事、睡眠に至るまで全てがシンプルです。