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大変な時だからこそ【慈悲喜捨】の心で、穏やかに生きよう ヨーガ・スートラⅠ-33

他の幸福を喜び〔慈〕不幸を憐れみ〔悲〉、他の有徳を喜び〔喜〕不徳を捨てる〔捨〕態度を培うことによって、心は乱れなき静澄を保つ。

—パタンジャリのヨーガ・スートラⅠー33

コロナウイルスの影響で、イベントの自粛や、週末の移動自粛要請が出ています。

これ以上の感染を増やさないよう、一人一人が注意して行動しなければいけない状況です。

それでも大勢で集まってお花見をしたり、街に繰り出したりする人たちもいるそうで、そのようなニュースを聞くと、少し悲しくなってしまいます。

パタンジャリ先生の『ヨーガ・スートラ』によると、世の中には4つのタイプの人がいるそうです。

それは、幸福な人(スカー)、不幸な人(ドゥッカ)、有徳の人(プンニャ)、不徳の人(アプンニャ)だそうです。

日常生活で心を安らかに保つために、この4つの人に対する対応法が、慈悲喜捨です。

慈=友情 幸福な人には友愛を

幸福な人に出会ったら、一緒に喜び、その人を友としなさい、という教えです。

簡単な事のようですが、他人の幸福を喜べないのは、だれでも身に覚えがあると思います。

ライバルだと思っていた人が自分よりも評価されたり、同じ会社の人が立派な新築一軒家を買った場合など想像してみてください。

たぶん、一緒に喜ぶ、というより、なんであいつが、と妬む気持ちが強いと思います。

これを一緒に喜べ、というのは実に難しい事なのかもしれませんが、修行だと思い、意識的にでも「よかったね」と喜ぶことで、自分の心も穏やかにできます。

もしコロナウイルスに感染してしまった時には、先に回復した人やかからなかった人によかったね、と言えるのが「慈」です。

悲=同情 不幸な人には同情を

不幸な人をに見た時に、つい見ぬふりの無関心のふりをしたり、不幸な人そのものに原因があるんだと思ったりします。

そのような不幸な人に対して、憐れみの心を持ち、手を貸すべきだという教えです。

というのも、不幸な人から思いをそらしてしまうと、自分の心にわだかまりができてしまうものです。

そうではなく、その人の心と寄り添って、たとえ何もできなくても「私はあなたの味方だよ」という慈悲深い心を持つことで、自分の心を穏やかにすることができるのです。

コロナウイルスにかかってしまった人、特に症状が重くなってしまった方々は今、辛い思いをされていると思います。

そのような人に対しては、その心に寄り添うことが大切で、決してその人の行動を責めたり、いじめたりしてはいけないのです。

喜=喜び 有徳な人には喜びを

素晴らしい、尊敬できる人に出会った時は、そのような素晴らしい出会いを喜びましょう。

その素晴らしい人を自分の手本とし、その良さを見習いましょうという教えです。

妬んだり、おとしめたりするのではなく、自分の人生にその良さを取り入れていきましょう。

連日の深刻なニュースの中にも、身体を張って頑張っている医療関係者の方々のエピソードや、素晴らしい行いをしている方の、キラッと輝くニュースもみかけます。

そのような人を自分の手本として、この大変な時期を乗り越えたいですね。

捨=無頓着 徳の低い人には無関心であれ

残念な事に、どうしても世の中には悪い人もいます。

ものすごい悪人、ではなくても、いつも愚痴ばかり言う人、意地悪や嫌味ばかり言う人、揚げ足ばかりとる人など、意外と周りにはいるものです。

そのような徳の低い人にとるべき態度は、まともに聞いて忠告したりするのではなく、無関心でいること、という教えです。

そもそも、悪い事を考えている人に、忠告など取り合わないでしょうし、自分が悪い事に流されて行動するのはもっと間違いです。

可哀そうな人だな、と軽く聞き流すことが、自分の心を穏やかに保てるのです。

外出自粛中に親しい友人から「家にいても暇だから、みんなで集まってパーティしよう」と誘われたら、一生懸命説得しても角が立ち、心がざわざわするでしょうから、「自分は行けない」と流してしまう方がいいでしょう。

まとめ

世の中には幸福な人(スカー)、不幸な人(ドゥッカ)、有徳の人(プンニャ)、不徳の人(アプンニャ)の4つのタイプの人間がいます。

この4つに対応するのは、慈悲喜捨の心です。

この慈悲喜捨の事を覚えておくと、いつも心が穏やかに過ごせます。