ヨガのクラスでインストラクターが鳴らす、チーンという鐘のような音、聞いたことありますか?
小さなシンバルのような形をした金属でできた、ティンシャと呼ばれる楽器を鳴らしている音です。
わたしが初めてティンシャを見たのは、若いころに受けた、中野民生さんのワークショップでした。
ワークショップ中にグループごとの話し合いが盛り上がり、ガチャガチャしていて誰も時間を気にしていないときに、ざわめきの中にティンシャの音が鳴り響き、参加者が一気に穏やかな気持ちで席に戻ったのを覚えています。
中野さんに「それは何ですか?」と尋ねたら、にっこり笑って「いいでしょう?色々試したけど、時間が来たことをみんなに気づいてもらうのに、一番いいんだよ」とおっしゃっていました。
「席についてー」とか大声で怒鳴らなくてもいいし、会話を塞ぐようなびっくりする音でもないので、ティンシャを使っている、と聞いて、なるほどなぁと思ったのでした。
ティンシャとは
ティンシャは、もともと、チベット仏教のお坊さんたちが儀式や浄化、魔よけで使う、密教法具のひとつでした。
ティンシャの澄んだ音の波動が響き渡り、その音を受け取った人はティンシャの音に共鳴して癒されます。
そのため、ヨガ、浄化、ヒーリング、マインドフルネス瞑想など、リラックスや癒しのためのツールとして、広く使われています。
ヨガでの使い方
ヨガが始まる前に、音を鳴らして、今から行うクラスがより良いものとなるように、場の浄化を行います。
また、最後のシャバアサナへの導入や、覚醒の時間にも使えます。
ティンシャの音でゆっくりと深いリラックスに入る事ができますし、深いリラックス状態から、現実世界にゆっくりと戻ってもらうための合図ともなります。
まとめ
ティンシャは、もともとはチベット仏教のお坊さんが使う、仏教法具でした。
ティンシャを鳴らすことで、場の浄化や心の安定の効果があります。
ヨガでは、始まりや、終わりの合図などに使えます。