NPO法人 安らぎ呼吸プロジェクトを行っている本間先生のお話を、ヨガの先生が送ってくれました。
本間先生は、東日本大震災の被災地で、「呼吸体操」を行い、被災者の方たちの不安やストレス低減のために活動しています。
先生のお話がとても興味深かったので、まとめてみました。
呼吸は、肺の周りにある筋肉の収縮で行われる運動です。筋肉の収縮の指令を出しているのは脳です。
その身体の運動である呼吸が、なぜ心の動き(情動)につながるのでしょう。
呼吸には2種類あります。
意識せずに行う代謝性呼吸(生きるのに必要な酸素を取り入れる呼吸)と、意識して行う情動呼吸(たくましく、かつ穏やかに生きるための呼吸)です。
このそれぞれの呼吸は、指令を出している脳の部分が違います。
代謝性呼吸は、脳幹が指令を出しますが、一方の情動呼吸は、脳の扁桃体から出ています。
扁桃体は情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ場所、すなわち、感情を作り出す場所なのです。
そう、意識的な呼吸の指令を与える場所と、感情を作り出す場所は同じところにあったのです。
そのため、呼吸に意識を向けて行う呼吸体操を行った被災者の方たちは、呼吸数も下がり、不安度も減ったという実績があります。
また、周りの環境で呼吸は変わります。
同じ人の呼吸を調べても、キーキーと鳴る不安感を募る音楽を聴くと呼吸は荒くなり、穏やかなクラッシック音楽を聴くと呼吸が穏やかになります。
さらに、呼吸がうつることもわかっていて、息苦しい人を見ていると、こちらまで同様に息苦しくなったり、穏やかな呼吸をしている人を見ると、こちらも穏やかになったりします。
最後に、荒波の中での小舟の絵を見せてくれました。
周りの荒波に飲まれると、流されてしまいますが、錨(いかり)を下ろせば、流されなくて済む、その錨を呼吸にするといいとのことでした。
確かに、周りを見ても、小さい子どもがスーパーで駄々をこねた時(呼吸が浅い時)、お母さんもつられてカッと呼吸が浅くなっています。
これも、穏やかに呼吸をするとまた対応が違ってくるのかもしれません。(時間や周りの事を考えると、そう悠長にはいられませんが)
周りの人の呼吸に飲み込まれそうになったら、すぐに意識して呼吸の錨をおろさないといけないですね。
逆に、自分の呼吸のせいで、周りもイライラしてしまうことのないようにしないよう、気を付けていきたいです。