インドと同じ国だったのに、パキスタンでもバングラデシュでも、アーユルヴェーダの事について見聞きすることはありませんでした。
アーユルヴェーダは、元々ブランマンの知識の中からかき集めたもの、と言われています。
神々の世界では、ブランマンの知識をダクシャ・プラジャパティという神様へ、ダクシャ・プラジャパティから双子のアシュヴィン・クマラスへ、そしてインドラ神へと伝えられたそうです。
アッラー以外の神様が出てきている時点で、ちょっとイスラム圏には受け入れられにくいのでしょう。
パキスタンの小さなモスクの前に、お祈りの時間の前になるとおじさんが布を敷いてお店をだします。
そこで売っているものの中に、小枝があります。
前を通るたびにずっと気になっていて、「これは何」と聞いてみたのですが、英語が通じないのです。
お祈りに来た人たち(モスクは男性しか入れないので、男性たち)がわらわらと集まって、あれこれ身振り手振りで説明してくれました。
その小枝は、ニームの木で、歯ブラシだということです。
歯磨き粉とかもいらずに、その枝でごしごしと歯をこするんだよ、と。
「痛くない?」と聞くと、周りのみんな笑ってました。
一人が実践してくれました。たくさんの人に囲まれて、ものすごく張り切って力を入れてやってくれたからかもしれませんが、こすったり噛んだりしていたら歯茎から血がでてしまいました。
めちゃめちゃ痛そうじゃん!!!
男性は「全然痛くないよ、神様の前に行くので、綺麗にしないとね」と笑顔!まわりの男性たちも笑顔!!
そのニームの小枝代を払おうとすると、お店のおじさんも、歯磨きした人も「いらないいらない」と言って、お金をもらってくれませんでした。
ニーム、そうです、アーユルヴェーダでよくつかわれるあの木です。
アーユルヴェーダではニームを使う、というより、南アジアの文化圏では、ニームの効能が当たり前のように知られているのかもしれません。
現地のものは何でもチャレンジしたがるわたしですが、なんだか痛そうだなぁと思い、これには手をださず。
今さらながら、ちょっとやってみればよかったなと後悔しています。