「ヨーガって何のためにするものなの?」と聞かれたら??
健康のため、美容のため、はたまたやっているスポーツのパフォーマンス向上のためなど様々かもしれません。
でも、そもそもヨーガの目的は、「苦しみからの解放」です。
アーユルヴェーダの歴史を学んだ時に、仏教とアーユルヴェーダの比較というのがありました。(仏教徒であるスリランカ人のドクターに学んだため)
そして仏教もアーユルヴェーダも、「苦しみからの解放のため」に始まったとドクターは話していました。
想うに当時は、食べ物や水の確保にはじまり、病気、けが、災害、政治的混乱など、今の時代から考えられないくらいの外的な苦しみがあったでしょう。
モークシャを目指して生きていくには、とても辛い環境にあったはずです。
病気を治したいからアーユルヴェーダがおこり、心の痛みを治したいから仏教がおこったのでしょう。
『ヨーガ・スートラ』(BC3c頃)の前半部分は、大体同じくらいの時代にできた初期仏教(BC4~5c頃)と、とても似ています。
なので、アーユルヴェーダも、仏教も、ヨガも「苦しみからの解放のため」に始まったのです。
現代は当時のような外的な苦しみは減ったかもしれません。
科学や医学の進歩は目覚ましく、病気も治せるものが増え、平均寿命も延びました。
外的な苦しみと違って、怒りや嫉妬、憎しみなど、内側の苦しみは、測りにくいとはいえ、昔に比べると決して減ったとは言えず、むしろ増えているかもしれません。
目に見えない心の苦しみから、生きることを自分からやめてしまう人の数が着々と増えています。
自然と離れた生活から起こる、昔では考えられなかった、新しい病気で苦しむ人もいます。
苦はたくさんあります。
なので、時代は変わっても、ヨガは「苦しみからの解放」を目的としているのには変わらないのです。