あるyoutubeでお勧めされていた子育ての本、『私たちは子どもに何ができるのか』によると、子どもが平気で嘘をついたり、言い訳がましかったり、あるいは自己肯定感が低くなったりという、いわゆる残念な人に育ってしまうのは、親が子どもに対して嘘をついているからだという実験結果があるそうです。
おそらく、誰もが「自分の子どもに対して、嘘なんてつかない」を思うでしょう。
そこがとてもやっかいで、それは人を傷つけるような大きな嘘ではなく、日々のちょっとした嘘なのだそうです。
そもそも、親が子どもに嘘をつく場面ってどんな時でしょう。
子どもがスーパーで「これ買ってー」と持ってきたら、「また今度ね」と言ってあきらめさせる。(今度はないのに)
子どもがぐずぐずしていると、「置いていくよ」と言って急がせる。(置いていくわけがないのに)
子どもが夜にはやく布団に入らないと、「早く寝ないと鬼がくるよ」と言って寝かせる。(鬼がくるわけないのに)
考えてみると、確かにこういった嘘をつくときは、親が効率を求めて、子どもを思い通りに動かす時が多い気がします。
しかも親は、子どもには、「正直な人であってほしい」と願っているのにも関わらず、当の親が、嘘をついているという矛盾が根底にあります。
わたしは、日常見かけるこういうシーンはすごく気になっていて、嘘をつくというより、暴力的な事が問題なのではないかと思っていました。

ヨーガの八支則のうち、ヤマ(訓戒)は、アヒンサー(非暴力)、サティヤ(嘘をつかない)、アスティヤ(盗まない)、ブランマチャリヤ(禁欲)、アパリグラハ(貪らない)の5つです。
この5つのヤマ(訓戒)は、学校や親から教えてもらったわけではなく、生まれながらに自分が他人にされたら嫌だったり、不快に思う事です。
この本によると、暴力的ではない嘘であっても(例えば、子どもがスーパーで「これ買ってー」と持ってきたら、「また今度ね」と言ってあきらめさせるようなもの)、嘘そのものが子どもに影響があるということなのです。
なんとなく、このくらいならと思っていたところもありましたが、「嘘をつかない」、というのは、どんな状況においてもやってはいけない事だというのを改めて実感しました。
これは気を付けなければいけない!!
以前、「自分の子どもたちは絶対嘘をつかない、なぜなら、嘘をつくと悪魔がやってくると教えていて、子どもたちは悪魔を信じていて本気で怖がっているから。」と胸を張って言う、子育てに自信があるお母さんがいました。
その子どもたちは、お母さんが見ていないところで悪い事をしては、周りの大人に「お母さんにいわんとってー」と言っていた事を思い出しました。お母さんの前ではとても良い子なのです。
お母さんが嘘をつくから、子どもも平気で嘘をつく。こんな研究で結果がはっきりでているなんて興味深いです。